映画

何が正義で何が悪者か?【わたしは、ダニエル・ブレイク】

わたしは、ダニエル・ブレイクをみました。

実に興味深い映画でした。

第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞。文部科学省特別選定作品。ダニエルが教えてくれたこと-隣の誰かを助けるだけで、人生は変えられるイギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

監督ケン・ローチ

ジャンルドラマ

Amazonプライムビデオ

映画の説明文に書かれているように、最高賞を受賞しているということで、見た後も納得のいく作品といえばよいでしょうか?

後味の悪い映画か否かですが、私的には歯切れが良かったと思いました。

そんな、絶賛できる映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」について書いていきたいと思います。

トークテーマは「何が正義で何が悪者か」です。

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映画ダニエル・ブレイクについて思ったこと

「わたしは、ダニエル・ブレイク」の内容は先ほどAmazonプライムビデオから引用した映画の概要を見ていただければわかると思います。

私は、社会的弱者の主人公が理不尽な社会にたてついていく姿を描いた、リアリティドラマのように受け取りました。

本作の舞台は現代のイギリスです。(北部のニューカッスル)

時間軸が、NOWなわけで、この映画に映し出される貧困であったり、役所(国?社会?)の無慈悲さ等々。。

そんな世界が、戦争もない、平和なこの世界にあるのかと??(日本人目線)

もう2020ですし、時代とともに情報通信をはじめ、食であったり環境問題であったり、世界的に大規模に取り組んできている現代にですよ??

イギリスというかつては他国に恐れられていたような強者の国の中に、、、いまだにこのような社会的弱者が生きており、その様は何とも言えぬみじめさ。

見る人は胸を痛めるのではないでしょうか??(視聴者は心を痛める余裕がある)

そんな本作を見た私は日本人で、この映画に出てくる人たちほど不自由な暮らしはしていませんし、むしろ、この人たちからしたら大変な裕福な暮らしをしているといっても過言ではないでしょう。

皮肉なことに、貧困や社会的弱者を取り扱った映画を見るのは、私のような不自由をしていない人だとは。(人による

まず先に、映画についてどうこう言う前に、この映画を見た私の結論を言っておこうと思います。

映画を見る側のひとについて

今言ったように、何不自由していない生活をしている私がこの映画をみて社会的弱者の現状などを学習しました。(なんとなく状況を知った

そんな私が出来ることといえば、食料の寄付であったり、衣類の寄付等、「モノをあげる」ということ。

他にはボランティア活動として、そういった人たちと直接会って、話して、助けに行く、力になろうとする行動をとること。

以上2点くらいが個人の力の限界かと考えました。

これらの活動を自分がしていくことで助かる人がいるわけで、私の力の限りこういった問題解決に取り組んでいけたらよいなと思いました。

これらは、映画を見る側の人たちが出来ることでしょうか。

社会的弱者について

次に、社会的弱者側の人たちについてです。

本作では主に高齢者と若くに子供を2人産み大学と仕事を掛け持ちしていき苦しんでいるシングルマザーを取り上げていました。

これらの人たちはそれぞれに何かしらの問題があり、その過程で生きるために、給付金をなんとかもらえるように努力していくといったことが印象的でした。

正直なところ、映画を見ていると、作中のいろんな人たちの決断であったり考え方にツッコミ満載でした。

「いや、働けよ!」「いや、もう少しマシな判断ができるやろ!」とか。

映画を見ている私にはこの人たちよりも恵まれた環境におり、この人たちの心情を理解できぬまま、私の意見を通したくなる。

なんというか、上から目線の助言というか、命令というか、、。

私から見たら、この映画の人たちの行動には「お金がなくて死にそうだけど、パチンコに有り金を突っ込んで賭けをし続ける」ようなものを感じるんです。

それに加え、ポジティブなのかネガティブなのか、はたまたなにか違うものか、、、。

作中の人達はなにがなんでも自分の意見を貫き通すような感じで、自分=正義のような人が多いような気もしました。

まとめるとか言っておいて、長く語りすぎた。

え~と、まとめると、

私たちのような余裕がある生活ができて、寄付をできる人たちがいても、寄付される側の人たちが変わらなければ永遠に自立できず寄付され続ける生活をしていくんだろうなと思いました。

なので、寄付される側にも変わっていく力が必要で、それを余裕のある人が手助けしていく必要がありそうだと思いました。

独断と偏見です。

現状を映画を通して知った程度で、おかねもなく、実家で大学生活を送っている私の感想です。

興味深いレビューが多い

物事には賛否両論で、もちろん映画もそうです。

中でもわた差異の目に留まったのはこちらのレビュー。

星が1つしかありませんでした。★☆☆☆☆

しかし、この方はほかの誰よりも映画をよく見て、考えたんだろうかと思います。

以下ネタバレが含みます。

 社会的な事象の一具体例、一側面だけを悲劇的に描いて、情に訴えさせる、示唆することは多いけれど、問題解決に導くようなものではなく、ルサンチマンを募らせるの映画。

この映画を観て「お役所仕事」を批判する人は多いだろうが、行政側の問題として感じるのは、
・心臓病で医者から仕事を止められている人間が給付を外されるような基準が設定されていること。
・インターネット等を扱えない人へのアナログな手続き手段が設けられていないことや、電話が通じにくい、審査に手間がかかるなど、サービスとして使いづらいこと。
この二点くらいである。
 冒頭の下らないような質問も給付を決めるには必要な質問だし、ケイティが遅刻してきたのを裁量で見ないふりをすることは許されないし、諸々の申請の手続きを現場で省略したり、基準を緩和したりも許されないだろう。

これを、「お役所にも心が必要だ」「少しぐらい融通きかしてもいいじゃないか」と主張する人は、仮に隣の人が全く同じ申請で何らかの事情で融通をきかせてもらって、自分には「通常の」対応だったら、「融通きかせるなんておかしいじゃないか」と言い出すと思う。「事情を説明されれば納得できる」と言うかもしれないが、では、融通をきかせた度に、万人に分かるようにその個人の事情を説明するのか。その融通の程度はどこまで許されるのか。例えば、道に迷って遅刻したとして、ケイティのようにシングルマザーならOKで、そうでない人はNGにするのか、1時間までの遅刻はOKで、1時間1分からはNGとするのか。または、モンスタークレーマーとどこが違うのか。
 役所が「心」を働かせだしたら、収拾がつかなくなる。ドライな言い方だが、この映画の役所のこの面での対応がさほど問題があったようには思われない。

一方、ケイティやダニエルの行動はどうか。窓口の人相手に口汚く罵ったり、万引したり、壁に落書きしたり。「そうせざるを得ない状況に追い込まれていた」というかもしれない。では、そういう状況に陥った人がすべてそういう暴挙に出ているか、否である。多くの人は、辛抱強く窓口で待ち、電話が繋がるのを待ち、インターネットの使い方を学び、何とか日々をしのいでいるのである、もちろん、それに対して大きな不満を抱くこともあろうが、暴挙には出ない。
 この登場人物たちに自分を重ねて、よく言ってくれた、という共感はあろう、そういう意味で、日々の鬱憤をかわりにぶつけてくれる映画ではある。しかし、ルールを破ることを褒められないことも事実だ。
 映画を映画として楽しむ意味で、これら主人公には喝采を贈ろう、しかし、実社会にいたら、「そんなことしたら、あかんでしょ」である。

では、この映画が示唆するものはなにか。福祉の制度設計の問題であろう。例えば、冒頭、行政側の瑕疵として、心臓病で審査落ちする基準の不備をあげたが、これこそがこの映画の一番の問題点であって、それこそ現場の判断や手続きの問題以前の福祉の基準作りの大問題である。仮に本来給付対象になるはずが、現場の判断や何らかの事情で変わった、というのなら、尚更そうした裁量的な判断を防ぐ手立てを講じる必要があろう。
 さらに、電話の待ち時間の長さやデジタル・デバイドの問題点もあげたが、であれば、例えば、週何回くらいの電話があり平均通話時間がどのくらいで、よってオペレーターは何人必要で、予算上、それが可能か、といった議論をしていくべきである。
 救われるべき人が救われるように、そして、救いを必要としていない人が不当な利得を得ないために、福祉制度はなんとかしていかなくてはならないものは多々あるだろう。「証明しろ」と言われても履歴書を手渡した証明は難しい、では、証明無しで全員認めるのか、当然そうなれば悪用しだす人もいるだろう。
 そうした制度設計は、緻密で根気のいる作業だ。予算も時間もリソースが限られる中、千差万別の個人の事情に、どこかで線を引いてより多くの人が納得できるようにしなければならない。それには「この人、可愛そう」だけでなく、もっとマクロ的で客観的な視点が必要だ。
 もちろん、そんなところに焦点をあてた映画なぞ、面白くもないし、政策ドキュメンタリーの番組になってしまう。しかし、本作品では、そういうところよりも「こういう可愛そうな/ひどい話がありました」というのみであって、確かにそれによって感情は揺さぶられ、観る側に訴え、社会的な反響もあろうが、むしろそうした問題の解決には結びつかないようで、何やらモヤモヤが残るのみだ。

政治や行政は「Cool Head,but Warm Heart.」であるべきと思うが、本作品はwarm heartではあれど、hot headにさせてしまうようだ。個別具体的な一例の物語、人情ドラマとして、映画「作品」としては良い作品かもしれない。しかし、社会派と評されるような作品としては、何がしたいのか良くわからなかった。

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私はね、最後の「政治や行政は「Cool Head,but Warm Heart.」であるべきと思うが、本作品はwarm heartではあれど、hot headにさせてしまうようだ。個別具体的な一例の物語、人情ドラマとして、映画「作品」としては良い作品かもしれない。しかし、社会派と評されるような作品としては、何がしたいのか良くわからなかった。」に大変共感しました。

まさに、これですよ。

映画としては大変クオリティが高く賞をもらうだけあるなって思いましたよ。

でも、映画で伝えたいことという面で見ると、なんだかなぁというのが正直な感想になります。

社会問題を題材にしているだけあって、一様に解決策はコレですって言えない、いうのが難しいと思います。

ただ、その点を期待してしまっている私がいたんでしょうかね。

なので、なんかこのレビューが響いたんですよね。

はあぁい。

最後に、すごいいらんこと言わせてください。

「わたしは、ダニエル・ブレイク」ですが日本の映画「万引き家族」と映画の感じであったり、内容であったり近しいものを感じました。

はい、現場からは以上です。

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ひろとん
とりあえず、3000万円くらい貯金できるように頑張ってみます。
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