全世界で2800万部、日本で400万部越えの大ヒットとなった、ビジネス書「チーズはどこへ消えた?」の続編として発売された 「迷路の外には何がある?」。
著者であるスペンサー・ジョンソンの遺作でもあります。
本書では、前作「チーズはどこへ消えた?」の発展した内容であり、「人生の変化に、戸惑いためらう「あなた」のための物語」となっています。
スペンサージョンソン先生はこの本を通じて何を言いたかったのかを私なりに考えたものを解説します。
また、本書の感想も紹介します。
迷路の外には何がある?とは
「迷路の外には何がある?」とは、全世界で2800万部、日本で400万部越えの大ヒットとなった、ビジネス書「チーズはどこへ消えた?」の続編です。
2019年2月27日に初版第1刷発行されています。

本作の内容は、「人生の変化に、怖がらず適応するための方法」です。
前作では「人生で起こる状況の急激な変化に以下に対応するか」について書かれていることから、本作は前作の「発展系」の内容になっています。
また、本作が作者であるスペンサージョンソン先生の遺作になり、最後のメッセージが込められた一冊となっています。
前作「チーズはどこへ消えた?」を読んでいない方でも、話の流れがわかるようになっていますが、まだ読まれていない方は是非、チーズはどこへ消えた?を先に読んでから本作「迷路の外には何がある?」を読むことをおすすめします。
あらすじ
「チーズはどこへ消えた?」では、二匹のネズミ「スニッフ」と「スカリー」と二人の小人「ヘム」と「ホー」が「迷路」の中に住んでおり、彼らが「チーズ」を探す物語でした。
本作「迷路の外には何がある?」では、前作「チーズはどこへ消えた?」の続きから始まります。
主人公は前作で変化を恐れ、うまく適応することが出来なかった小人のヘムです。
ヘムは、ホーがチーズを探しにいたとも、1人でずっと迷路に残っていました。
何日もたち、ホーが帰ってこないことを悟り、このままじゃ餓死してしまうということで、覚悟を決め、迷路の中を冒険することを決めました。
しかし、すんなりチーズが手に入ることもなく、この現実を受け止められないヘム。
ヘムは自分自身と葛藤を繰り返し、どうすれば変化を受け入れられるか考えます。
そんなヘムの新しい物語です。
迷路の外には何がある?で筆者が言いたいことは
本書は全部で100ページほどと他のビジネス書に比べて短いですが、この短さは限界まで無駄を省いた結果だと感じます。
で、「迷路の外には何がある?」でスペンサージョンソン先生が言いたいことは何なのか考えました。
私が感じた3つの「メッセージ」を解説します。
- 古い考えでいると新しい変化に対応できない
- 信念は定期的に更新しろ
- 信念を変えることを恐れるな
古い考えでいると新しい変化に対応できない
1つ目の主張は、従来通りの考えをしていては、変化に対応できないと言っているように感じた。
その理由として、時代は常に変わっていくもので、変化するものだからです。
当たり前のことですが、私たちが思っているよりも「変化」は早くて、あっという間に既存の考えでいると変化に置いていかれます。
このことを「昨日は真実だったかもしれないことが、今日は真実ではなくなる」と言っています。
変化に置いていかれているのに、従来の考えを続けているのは死活問題です。
本書内では、90年代初めの書店を例に挙げていました。
この頃の書店は、オンライン書店が大きな意味なんて持つはずがないと思っていました。
それから30年近くたとうとしている現代では、電子書籍の発達や、ネットショッピングにより、書店に行くことなく本を買うことができ、読むことが出来る世の中に変わりました。
このように、オンライン書店が大きな意味を持つようになったのです。
「昨日は真実だったかもしれないことが、今日は真実ではなくなる」という言葉のように、古い考えでいると、新しい変化に対応できないということを言いたかったのではないかと思います。
信念は定期的に更新しろ
2つ目の主張は、あなたの信念を永遠に貫き通すのではなく、変化に合わせて定期的に変えていく必要があると言っているのだと思いました。
この理由は、「古い信念は居心地がよく、新しい考えに変えるのをとても嫌がる」からだと言っていました。
例として、印刷業者の話があります。
彼は、印刷物による広告でお金稼げると信じていた。
最大の得意先がウェブでの広告に切り替えたのに。
実売部数もまた上向くはずだと言い張った。
ネットでニュースを見る読者がどんどん増えていたのに。
一年後には、この会社の業務がすべて止まった。
このような事例は、なにも人ごとではなく、自分の身に明日起こってもおかしくないようなことです。
自分の考えが正しいと思っていても、それが正しいかを常に見極めなければいけません。
そうでないと、この例のように、環境の変化に置いていかれ、大変なことになるでしょう。
信念を変えることを恐れるな
3つ目の主張は、信念を変えることを恐れるなです。
その理由は、信念を変えたとしても、あなたはあなたに変わりはないからです。
「信念は人の足を引っ張りもすれば向上されもする恐るべき力」と言っているように、信念がプラスに作用する時もあればマイナスの作用をすることがあります。
しかし、信念を変えることがあなた自身を変えることになることは別であると言っています。
だから、信念を変えることを恐れないで、変化に合わせて信念を変えていくべきだと言っているように思いました。
迷路の外には何がある?の感想
前作の物語の続きということもあり、読者のもやもやを解消してくれているのでよかった。
しかし、あくまでも前作の補助的な内容だったので、ビジネス書というより、物語的な意味合いが強いと感じた。
そうは言っても、この本が心の支えになったり、今後の人生で役に立つ本であることは間違いないと思う。
物語に出てくる「ヘム」というキャラクターの感情は、誰しもに当てはまる感情だから、ヘムの行動や言動から、自分と重ねられることがある。
そのため、「ヘム」から得た教訓を実際に生かせる場面に出会えることは間違いない。
だから、この本は今後の人生において役に立つ一冊だと言える。