書評

『100円のコーラを1000円で売る方法3』重要な点を紹介【感想】

100円のコーラを1000円で売る方法3

100円のコーラを1000円で売る方法は、「付加価値」を足すことで、1000円分の価値のあるコーラを提供するということでした。

これは、『100円のコーラを1000円で売る方法』のラウンド8で紹介されています。

そんなシリーズ1作目『100円のコーラを1000円で売る方法』では、「顧客中心主義への回帰」をテーマに、マーケティングについて、述べられました。

続いて、シリーズ2作目『100円のコーラを1000円で売る方法2』では、「成功体験からの脱却」をテーマに、ビジネス戦略について述べられました。

そして、シリーズ最終作である『100円のコーラを1000円で売る方法3』では、「イノベーションとリスクへの挑戦」をテーマに、イノベーションについて述べられています。

今回紹介するのは、シリーズ3作目の『100円のコーラを1000円で売る方法3』です。

シリーズ1,2作目の内容の続きが描かれており、ついに終わりを迎えます。

そんな本書の内容で重要な点を紹介するとともに、感想も述べていきます。

100円のコーラを1000円で売る方法3で重要な点

『100円のコーラを1000円で売る方法3』を読んで重要だと思ったのが、以下の4点です。

  • 企業メッセージはほぼ認識されていない
  • 無料でも儲ける方法がある
  • 企業買収する側の立場が強いとは限らない
  • イノベーションにはリスクは付き物

それぞれを紹介していきます。

企業メッセージは0.004%しか認識されない

企業メッセージというのは、広告であったり、CM、プロモーションだったりと色々のことを指しています。

しかし、インターネットの普及やスマホの普及で世の中には大量の情報があります。

そんな今の世の中で、企業メッセージがどれくらい人間の頭の中に入るのか知っていますか?

本書の中でも登場人物の1人である久美が「1割くらいは認識しているんじゃないか?」と答えていたのですが、私もそれくらいだと思いました。

しかし、実際には、世の中に流れている情報の0.004%くらいしか認識されていないのですって。

つまり、企業がどんなに頑張って広告やプロモーションをやったとしても、消費者は情報の99.996%は無視していることになります。

電車の中の広告やテレビCMで流れる広告は、見てはいるが認識はしていないのだそう。

言われてみれば確かに、いろんな情報を認識していないなと思うところがあります。

情報が溢れかえっている世の中では、昔のように、CMや広告をバンバン流せばいいものではなくなってきたのです。

でも、そうはいっても企業側からすると、少しでも自社の製品やサービスを多くの人に知ってもらうことで、新規ユーザの獲得につながったりするわけですから、広告は必要です。

ただ、今までのように、たくさんの広告を流しても現在では効果は薄くなっています。

そこで、現代の広報手段として、ツイッターやブログ、YouTube等、共感できるおすすめの人が使われるんですって。

例として、シャープの公式Twitterをここで紹介しちゃいます。

こんな、感じで、企業メッセージのような堅苦しいツイートではなく、くだけた感じ。

硬いイメージの企業がこうゆう緩いツイートをすることに、Twitter民からすると価値があるし、シャープのツイートを見たくなる。そこで、面白そうな製品が紹介されたら買っちゃうなんてことも大いにありえます。

こういった感じに、いろいろな手段で企業名や商品を広めることができる世の中になっています。

なので、商品の広告やプロモーションはそういったツールや人を使うことで、ただ広告を流すよりも高い効果が得られるのだそう。

企業メッセージが0.004%しか認識されない現代では、ただただ広告を流すよりも、このようにTwitterを使ったりしたほうが高い効果が得られるのかもしれません。

無料(タダ)でも儲けられる:フリーミアム

モノを無料で提供しながら、別の付加価値をつけることで、儲けることが出来る。

このようなビジネスモデルは”フリーミアム”と呼ばれています。

このフリーミアムというのは、入り口のサービスを無料で提供しつつ、別のところでお金を儲けるビジネスモデルです。

これは、身近なところにたくさんありました。

有名なところだと、「Google」。

他には、「ニコニコ動画」や「YouTube」、「動画編集ソフト」や「画像偏執ソフト」なんかもフリーミアムです。

Googleだと、検索は無料で出来るけど、検索に連動した広告を出して、広告主からお金を貰って儲けています。

ニコニコ動画やYouTubeでは、基本無料で使えますが、プレミアム会員でお金を貰って儲けています。

動画編集ソフトや画像編集ソフトも無料版と有料版で使える機能が制限されており、有料版を買ってもらうことでお金を儲けています。

このように、製品やサービスを使う入り口では無料で使えて、奥へ行くためにはお金が必要になる、フリーミアムというビジネスモデル。

この強みは、いままで使ってこなかった人に無料で提供することによる、新たな顧客を獲得できることです。

いままでの動画編集ソフトだったら、買って使ってみるまでそのソフトが使いやすいかとかわかりませんでした。なので、ある意味運要素が含まれていました。

それが、無料版と有料版の2種類を提供することで、買う前に使って試すこともできますし、よさそうだったら買うなんてことも可能になります。

それに、今まで動画編集ソフトなんて使わなかった人も「無料なら」と試す人もいるでしょう。

それで、動画編集ソフトがほしくなり買うなんて人も出てきます。

このように、入り口のサービスを無料で提供しつつ、別のところでお金を儲けるフリーミアムというビジネスモデル。

覚えておいて損はないと思いました。

企業買収する側の立場が強いとは限らない

企業は買収されたり合併したりします。

そこで、買収を持ち掛け方が強い力を持っていると私は思っていましたが、違いました。

必ずしも、買収や合併を持ち掛けてくる側が強いわけではなかったのです。

買収を提案する方が弱い立場で、買収される方が強い立場の時も大いにあるのです。

では、それはどうゆうときか?

そこで出てくる言葉が「バトナ」です。

バトナとは

「Best Alteenative To Non-Agreement」の頭文字をとったものです。

意味は「交渉が成立しなかった場合の次善策」です。

交渉において、「強いBATNA」を持っている側が勝つのだそう。

なので、大企業だからとかお金がたくさんあるからと言っても、相手の方が強いBATNAを持っていれば相手が勝ちます。

企業の買収でも同じで、強いBATNAを持っている方が勝ちます。

例として、以下の図のようにして、BATNAを見極めます。

BATNAの例
図:BATNAの例

まず、A社とB社があり、A社は中小企業でB社は大企業です。

そこに、突然現れたC社により、A社もB社も売り上げが下がり、大ダメージ。

A社は<A社メソッド>を持っていたので、それを活かすことで新サービスを立ち上げ、窮地を脱出する、それを売りにしてC社を買収もしくは合併をする道がありました。

B社には、A社を買収することで<A社メソッド>を手に入れることしか生き残るすべがありません。

そのため、B社はA社に買収の提案を持ち掛けます。

この場合、BATNAが強いのはA社です。

その理由は、以下の通りです。

  • B社はA社を買収することでしか生き残りが難しい
  • A社はB社による買収の他に、<A社メソッド>を活かすことで新サービスを立ち上げ、窮地を脱出するか、それを売りにしてC社を買収 2つの選択肢がある

このように、大企業よりも中小企業のほうがBATNAが強いこともあり、BATNAが強い方が交渉で勝つことが出来るのです。

これは、大変勉強になりました。

イノベーションにはリスクは付き物

イノベーションにはリスクは付き物。

これに関しては、なんとなくわかりますよね。

Google曰く、イノベーションって「技術革新」という意味らしいです。

革新っていうくらいだから、今までにないもの、無いことをしているんですよ。

今現在無くても、未来には当たり前のようになっているものがたくさんあるわけです。

未来のために、今作るわけですから、

  • 売れない
  • 使われない
  • 普及しない
  • 認知されない
  • だれも望んでいない

なんてことも大いにありえます。

だから、リスク半分、希望半分くらいでしょうか。

イノベーションを起こしていく人、会社は大きな、大きなリスクを取っているわけです。

もしかしたら失敗しているかもしれないことに、成功がかくやくされていないことをやるわけですから、イノベーションはリスク盛りだくさんですよ。

だから、イノベーションっていうのは良いことばかりではないということです。

頭の隅にでも、置いておきたいですね。

100円のコーラを1000円で売る方法3 感想

100円のコーラを1000円で売る方法3でシリーズ完結です。

一冊当たり、200ページくらいですから、3シリーズでだいたい600ページです。

割と、ボリューム感ある内容でしたが、ストーリーが面白く、わかりやすかったので、すんなりと読むことが出来ました。

また、このシリーズは一貫して「つねに顧客の価値を考えること」を第一に考えられています。

あるいみ、私が本書の顧客ですね。

だから、読みやすかったり、わかりやすかったりしたのでしょうか。

ビジネスも然り、本も然り、「顧客の価値」を突き詰めればうまく行くともシリーズ1で言っていたようにも思えます。

最後に、「100円のコーラを1000円で売る方法シリーズ」では

  • シリーズ1:マーケティングについて
  • シリーズ2:ビジネス戦略について
  • シリーズ3:イノベーションについて

以上3種類の分野の知識を初心者でもわかりやすく解説してくれました。

マーケティングやビジネス戦略、イノベーションについて興味のある方は、「100円のコーラを1000円で売る方法シリーズ」を読んでみることをお勧めします。

ストーリー性もあってテンポよく読めます。

面白いから、おすすめですわよ。

100円のコーラを1000円で売る方法3 まとめ

『100円のコーラを1000円で売る方法3』を読んで、重要だと思ったことは、

  • 企業メッセージはほぼ認識されていない
  • 無料でも儲ける方法がある
  • 企業買収する側の立場が強いとは限らない
  • イノベーションにはリスクは付き物

以上4つです。

それぞれについて、詳しく紹介しました。

本を読んだ感想は、 「割と、ボリューム感ある内容でしたが、ストーリーが面白く、わかりやすかったので、すんなりと読むことが出来ました。」です。

100円のコーラを1000円で売る方法シリーズ

『100円のコーラを1000円で売る方法』はシリーズになっており、

  • 100円のコーラを1000円で売る方法
  • 100円のコーラを1000円で売る方法 2
  • 100円のコーラを1000円で売る方法 3

3冊あります。

それぞれについて、記事を書いていますので、是非お読みください。

『100円のコーラを1000円で売る方法3』にコミック版もあります。

文字だけを読むのが苦手だったり、漫画がすきな方にはこちらの漫画版がおすすめです。

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ひろとん
何のとりえもない大学生。 別に元気がもりもりなわけではないが、キャッチコピー的に良さそうなのでそうしている。 性格的にはクレーマーに近いかもしれないが意見をズバズバ言うところがあるので、意見マシマシも付けた。 他にもたくさんの大学生ブロガーがいるので、差別化は難しいが私は私なので、私という存在が唯一だ。そこが差別点なのかな? 知らんけど(笑) そんな大学生が運営しているブログです。 どうぞ、よろしく。
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