コーラは歯を溶かす。
そう言って育てられた私が、コーラを初めて飲んだのは高校1年生の夏。
甘く、口の中で暴れる炭酸。
これがコーラなのか、これが青春か、とその時知った。
周りの人が好むわけがわかるくらい万人受けする味のコーラ。
普通に美味しかった。
それから月日が経ち、大学3年生になった。
そんな私が買う飲み物はいつもお茶だ。
コーラを飲むのは、たまに大人数で遊ぶ時や、飲み会で頼むソフトドリンクぐらいだ。
いまだに、私はコーラを買ったことは無い。
なぜなら、私は生粋のお茶派だからです。終
なぜこんな話をしたかというと、『100円のコーラを1000円で売る方法』の感想を記事にしようと思ったからです。
ぶっちゃけ言いますと、本書の中で「コーラ」が関係するのはタイトルくらいです。
なのに、その数少ないコーラとの関連性を意識して簡単に、私とコーラの思い出を書きました。
てことで、『100円のコーラを1000円で売る方法』を読んだ感想と本の紹介をしていきます。
目次
100円のコーラを1000円で売る方法
100円のコーラを1000円で売る方法という目を引くタイトル。
100円で売られているコーラを1000円で売るなんて、そんなことも考えたことありませんでした。
だからこそ、虚を突かれた感じがして気になりますよね。
で、どうやってコーラを1000円で売るのか?
答えは、付加価値でした。
付加価値でどうやってコーラを1000円で売るんだ??
このことについて紹介していきます。
コーラを1000円で売る付加価値とは
100円のコーラを1000円で売るためには付加価値をつければよかったのです。
付加価値をつけるだけで100円のコーラが売れるの???
そう思う方もいるでしょう。
私もそう思いました。
そんな中、100円のコーラを1000円で売っている例を示してきました。
そこは大阪にある超高級ホテルリッツカールトンです。
165ページでこんなやり取りがありました。
「え?リッツカールトンって、あの超高級ホテルですか?」
「そう。ルームサービスで頼んでみたんですよ。1035円でした。」
「でも、普通のコーラですよね」
「普通に売っているコーラです。でも、今までの人生で、最高に美味しいコーラでした。」
100円のコーラを1000円で売る方法 p165
超高級ホテルのリッツカールトンのルームサービスで頼んだコーラが1000円だということです。
まあ、高いコーラですこと。
ただ、このコーラには1000円分の価値のサービスがあります。
それは、
- 最適な温度に冷えている
- ライムと氷がついている
- シルバーの盆に載って、グラスで運ばれてくる
- リッツカールトンという超高級ホテルのルームサービス
の4つです。
ちなみに、このコーラを電話で注文した際に、「15分お待ちください」と言われています。
15分待って、部屋に運ばれてくるコーラは、最適な冷たさで、ライムと氷がついて、シルバーの盆でグラスで運ばれてくる。
これが、コーラ自体のサービスです。
なんだかよくわかりませんが、ライムと氷と、最適な温度で1000円は高いような気もします。
それも、そのはずで、これだけだと500円のコーラ分くらいの価値しかありません。(多分)
そのため、残りの500円分を埋めるものが必要になります。
ただ、必要になるといっても、サービスを加えるわけではありません。
すでに、残りの分は提供されていたのです。
その残りの分は「リッツカールトンというホテル」、すなわち場所/環境の提供という価値があるのです。
これにより、超高級ホテルリッツカールトンという舞台、環境の部屋の中でゆったりとくつろぎながら飲むことができるコーラという付加価値があるわけです。
超高級ホテルの部屋の中でコーラを飲むには部屋代だけでも何万円もかかります。
それだけの大金を使っていて、尚且つルームサービスで飲むコーラ。
さぞかしうまいのだろうな。
これだけてんこ盛りサービスのルームサービスで飲めるコーラだからこそ1000円で売られていたのです。
つまり、100円のコーラを100円で売るための付加価値というのは、
- リッツカールトンという超高級ホテル(場所や環境の提供)
- ライム
- 氷
- 最適な温度に冷えているコーラ
- グラス
- 銀の盆
だったということです。
100円のコーラをなにもせず、値段を1000円に釣りあげて売っているわけではなかったのです。
1000円で売るには、1000円で売る理由があったということです。
100円のコーラと1000円のコーラの違いとは
ここまでで、100円で売られているコーラと1000円で売られているコーラそれぞれの特徴や違いがありましたよね?
場所がリッツカールトンという超高級ホテルだったり、ルームサービスであったり、ライムがついていたりと、、、
100円で売られているコーラと1000円で売られているコーラは、だいたいがコンセプト/戦略が違うのです。
それをわかりやすく示した表がこちらです。
戦略 | プロダクトセリング | バリューセリング |
売っているのは | コーラという液体 | 最高にうまく飲める体験 |
販売場所 | ディスカウントストア | リッツカールトン |
価格 | 100円(価格競争) | 1000円(値引きなし) |
そのための施策 | コスト削減 | サービス向上 |
コーラで考える価格の意味:上記表
100円のコーラを1000円で売る方法 p168
スーパーなどお店で普通に売られているコーラの戦略はプロダクトセリングと呼ばれるものです。
ここでは100円としていますが、お店によってはそれよりももっと安い値段で売られていたりします。
このように安く販売するという行為は、他店との価格競争から来ています。
どこの店も、コーラという液体をなにも付加価値をつけずに販売するので、差別化や客を呼ぶために値段を安くします。
それが値段を安くする価格競争を生み出しているのです。
とにかくコストを削減し、できるだけ安く販売します。
この時、客からするコーラの価値は、安く手に入るコーラになります。
その分、お店側はたくさん売ることと、安く仕入れるっことをしいてやっと利益が出ます。
ある意味、負の連鎖のようにも思えます。
お店で売られているコーラは液体そのものです。これは他の店でも同じように売られているので、客は値引きを求めます。そこで、徹底的にコスト削減を図ることを”プロダクトセリング”といいます。
それに対し、リッツカールトンという超高級ホテルではバリューセリングという戦略がとられています。
この戦略で、超高級ホテルという環境で飲めるうまいコーラを売っているのです。
そのために、とことんサービスを向上させ、1000円のコーラに見合う価値を提供しているのです。
リッツカールトンが売っているのは、心地良い寛容で最高に美味しいコーラを飲めるという体験です。この体験はリッツカールトンでしか体験できません。そのため、客は値引きを求めたりはせず、最高の体験を求めるのです。それを達成するためにリッツカールトン側はサービスの向上を図ります。これがバリューセリングと言います。
ここまでのことをまとめると、100円のコーラと1000円のコーラの違いは、戦略・コンセプトが違うのです。
そのため、それぞれの戦略に合わせた”価格”と”価値”を提供しているのです。
ということで、100円のコーラを1000円で売る方法は、付加価値をつけて1000円にしてしまうというものでした。
この理論的には、カラオケや居酒屋のフリードリンクで300円くらいで売られているコーラの理由が何となくわかったような気がします。
あの時の居酒屋の500円のコーラは、付加価値がついていたんか。。。
信じられんわ。
ただのぼったくりだと思っていたわ。
100円のコーラを1000円で売る方法 感想
私自身が大学生であり、マーケティングについての知識も特になかったので、本の内容すべてが新鮮でした。
- ガツガツ系で感情的に行動する主人公の宮前久美
- 特に何もしないけど優しい部長 鈴木信彦
- 論理的で、知識豊富で万能マンの課長 与田誠
主人公の宮前久美は持ち前の元気と明るさだけでガツガツ仕事をしていくタイプで、論理的な思考やマーケティングに関する知識があまりありませんでした。
そんな宮前さんに課長の与田がマーケティングや論理的な考え方を教えます。
それにより、最初の頃よりもグーンと成長する主人公。
本書を読み進めることで、主人公と一緒にマーケティングの知識を得ることが出来ました。
何となくですが、消費者心理と、モノを作る上で大事なこと、モノを売る上で大事なことを学べました。
そこで、本を読んで知りえたマーケティングのことについて紹介したいと思ったので何個か紹介します。
商品を自分で売る必要はない
商品を自分で売る必要はないというのは驚愕の事実でした。
本を読んでいると、確かに自分で売っていない事例が多くあって、驚きました。
いつの間にか私の頭の中には商品を作っている会社が自分で売っているものだと思っていました。
もちろん、自社開発で自社の販売網がある会社はありますし、自分で売るのがダメだというわけではないのです。
自分の商品を自分で売らないというのは、一つの販売の方法だったということです。
実際、自社で作った商品を自社で売っていない事例がいくつもあるのでいくつか紹介します。
- 家電・カメラ・PC・ゲーム
- 食料・飲料
- 服・靴・バッグ・時計
- 本・漫画・雑誌
- ベビー用品・おもちゃ
- スポーツ&アウトドア用品
考えただけでも、これくらいあります。
と言いましても、ここで紹介したのはネット通販されているものです。
このような商品をお客さんに売っているのは製造元だけじゃないのです。
製造元が、コンビニやスーパー、服屋・靴屋・時計屋、本屋、おもちゃ屋、スポーツ用品店、家電屋などのお店に商品を卸し、その店がお客さんに売っているのです。
最近では、お店だけでなくネット通販でも大量に販売していますしね。
ここで紹介したのは消費者向けの商品ですが、法人向けの商品も同様に、製造元が販売するのではなく、ネットで販売するなどしているのです。
このように、自社の製品を自社で売る必要はないということが新たな発見でした。
ただ、考えてみれば、身近にあるいろいろなものはほとんど全て、製造元の会社で買ったことないなーと思います。
何で気づかなかったのかも不思議なくらいです。
新商品は必ず売れない:イノベーター理論とキャズム理論
これまた驚きました。
「新商品は売れないもの」
なんですって。
ただ、だからと言って全く売れないわけではなく、だんだんと世間に評判が浸透していって売れるんですって。
それがイノベーター理論とキャズム理論というのでわかっている事実らしいです。
それを示す図がこちらになります。
まず、この図で示しているのは、客はリスク歓迎タイプとリスク重視タイプの2種類に分かれているということです。
- リスク重視タイプは全体の8割と言われています。この人達は新商品をすぐに買わない人にあたります。
- 次にリスク歓迎タイプは全体の1,2割と言われています。この人たちは新商品を即決で買うそうです。
新商品をすぐに買ってくれるのはリスク歓迎タイプの人たちで、リスク重視タイプの方はすぐには買ってくれません。
しかし、だんだんと世間に知られてくるとリスク重視タイプの人も買ってくれるようになるのです。
この、リスク重視タイプが買ってくれるようになるタイミングを「普及の谷」と呼ばれています。
この普及の谷までどうやって販売を促進していくかという点がマーケティングにおいて重要だということだと知りました。
新商品においては、まず、リスクを歓迎してくれる人に対して販売していき、その後実績を増やしていき、最終的にはヒット商品になるというような流れがある。
なるほどって思いました。
100円のコーラを1000円で売る方法 感想 まとめ
100円のコーラを以下にして1000円で売るのかの方法についてと、本を読んだ感想をしました。
100円のコーラを1000円で売るには、1000円の付加価値をつけるというのが必要でした。
居酒屋やカラオケのソフトドリンクが500円くらいと値段が高いのはその分の付加価値がついているということがわかりました。
あと、個人的な感想では、
- 商品を自分で売る必要はない
- 新商品は必ず売れない:イノベーター理論とキャズム理論
がマーケティングにおいて気になった箇所でした。
この本には続きの話が2部あるので、それについても感想を記事にしていきます。
100円のコーラを1000円で売る方法シリーズ
『100円のコーラを1000円で売る方法』はシリーズになっており、
- 100円のコーラを1000円で売る方法
- 100円のコーラを1000円で売る方法 2
- 100円のコーラを1000円で売る方法 3
3冊あります。
それぞれについて、記事を書いていますので、是非お読みください。
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