映画「時計仕掛けのオレンジ」を見たんだよね。
まあ、噂通りの狂気に満ちた映画でしたけど、小説版とは終わり方に違いがあるので気になる方は小説も読んでね。
本記事では、時計仕掛けのオレンジのあらすじからネタバレをして、感想を述べていきます。
結論を言うならば、「人間の狂気」が見事に描かれている映画だと思いました。
- 時計仕掛けのオレンジとはどういった映画?
- どうゆうストーリー?
時計仕掛けのオレンジあらすじ【ネタバレ】
あらすじは起承転結で紹介します。
まとめて言うならば、日夜暴力をして満たされていたアレックスという少年が、ある日警察に捕まり刑務所での生活を始めます。
刑務所暮らしを数年間していたある日、ルドヴィコ療法と呼ばれる、治療を受ければ2週間で出所ができるという噂を聞き、自ら治療を受けたいと名乗り出ます。
実際にルドヴィコ療法なる治療を受けたアレックスは治療の結果、暴力に対して吐き気を催し、暴力が出来ない体になりました。つまり、治療は成功しました。
しかし、政治内や世間の声で、道徳的でない治療と批判され、治療を受けたアレックスは治療前の状態に戻されることになります。
おわり。
では、それぞれ詳しく解説して行きます。
起:有名なウルトラヴァイオレンス
舞台は近未来のロンドン。
ある夜、クラシックが好きな主人公アレックス率いる3人の仲間(ドルーク)とミルクバーでドラッグ入りミルク(ミルク・プラス)を飲んでウルトラヴァイオレンス(常軌を逸した暴力行為)の計画を立てていました。
その後、いろいろな暴力をして楽しみまた次の日と言った感じで物語は進んでいきます。
そんなある日金持ちの家に強盗に押し入ったアレックス達ですが、家主に通報される。
それを知らず、家に侵入したアレックス。
家主と壮絶なバトルを繰り広げ、最終的には家主は亡くなってしまう。
この時は警察のサイレンが聞こえたため一目散に逃げだしたアレックスですが、玄関の扉を開いて逃げたアレックスに対し、待っていた3人の仲間がアレックスに襲い掛かかる。
その際にアレックスは負傷し地面に倒れこみ、3人の仲間はアレックスを置いて逃げていく。
逃げ遅れたアレックスは警察に捕まり、家主が亡くなっていることから殺人罪を言い渡される。
この時のアレックス達の年齢は15歳と、現代日本でいうならば、高校1年生と同じ年齢ですよ。
そんな若い少年たちがどんなことをしていたかというと、
- 敵対するグループと殴り合い
- 物乞いをするホームレス男性をボッコボコ
- 盗んだ車で逆車線を暴走
- 知らない人の家に押し入り暴行
- 強盗殺人
とかです。
これが、ウルトラヴァイオレンスです。
時計仕掛けのオレンジと言ったら「ウルトラヴァイオレンス」と挙げる人がいますが、そのほとんどが、冒頭に詰まっています。
そういったように、この映画は暴力から始まります。
承:ルドヴィコ療法とかいうやばい治療法
数年間刑務所生活をしていたアレックスは治療を2週間受ければ暴力行為をしない体になる「ルドヴィコ療法」なる治療方法を耳に入れる。
うまいこと上官に伝え見事ルドヴィコ療法の被検体になったアレックス。
治療方法は簡単で、暴力行為をする映像を1日数回、見せられるというものです。
体は椅子に固定され、目には瞬きをできないようにする装置を付けられ、目が乾かないよう何回も目薬が差されます。
映像には音勢がなく、BGMとしてベートーヴェンの第9が使われました。
食事も普通に食べれるため辛いのは映像を見続けるだけですが、数時間も映像を見ていると苦しくなって叫ぶ場面がちらほらあります。
2週間経つと、お偉いさん達にルドヴィコ療法の効果を見せるプレゼンが行われます。
その際、アレックスは殴られたり蹴られたりしますが、反抗しようとすると吐き気を催す嫌悪感に襲われ反抗できません。
その結果を見せ治療が成功したと大々的に報道されました。
転:アレックスが更生して出所される
ルドヴィコ療法によって暴力行為をできない体になったアレックスは契約通りに出所しました。
その後実家に戻るものの、見知らぬ男性がアレックスの部屋を借りて住んでおり、アレックスの過去の暴力行為について非難されます。
また、両親からも冷たい対応をされ行き場のなくなったアレックスは自宅を飛び出し途方に暮れていた。
そんなアレックスに物乞いをしてくるホームレスが近づいてきて、アレックスはお金を渡す。
しかし、そのホームレスは過去にアレックスに暴力を振るわれたことに気づき、アレックスに対してホームレス集団で暴力を振るいます。
騒がしくなっている現場に気付いた警察官によりホームレスの暴力から助けられたアレックスですが、その警察官は以前仲間であった2人でした。
2人はアレックスを人目のない森の中に連れ出し、「ルドヴィコ療法によって治療されているかを確認するという名目」のもと、暴力を振るいます。
満足のいくまで、アレックスを痛めつけ満足した2人は去っていきます。
ホームレス、元仲間の警察官に痛めつけられたアレックスは運よく民家を発見します。
その家に助けを求めると、やさしい家主はアレックスを助けてくれます。
しかし、家主は、アレックスが風呂場で歌っていた「雨に唄えば」を聞き、過去に暴力を振るってきた若者であり、最近出所したアレックスであると知ります。
そして、過去に受けた暴力に対して仕返しを考えます。
風呂を上がったアレックスに料理を食べさせ、薬入りのワインを飲ませ、アレックスを眠らせます。
その後、高い部屋の一室に監禁し、部屋の下からベートーヴェンの第9を垂れ流します。
ルドヴィコ療法の影響で、BGMであったベートーヴェンの第9を聞いても吐き気や嫌悪感がでるようになっていたアレックスは唯一の出口であった窓ガラスを割り部屋から飛び出します。
これにより、家主の計画通りに事が進みましたが、飛び降りてもアレックスは死なず重傷で命を留めました。
結:アレックスが元通りに
アレックスの目が覚めると、病院のベットで横たわっていました。
精神科の先生に暴力行為についての絵を見せられますが、嫌悪感や吐き気などが起きなくなっており、以前の体に戻りました。
アレックスが飛び降りをしたことでルドヴィコ療法について疑惑の念が広がり再び注目を集めました。
それによりルドヴィコ療法を推進していた政府の支持率が下がったため、ルドヴィコ療法から直ったことを世間にアピールし、支持率を回復させるためにアレックスに協力を求めます。
同意をしたアレックスと政府高官が固い握手をし、それを多くのメディアがカメラで撮影します。
そして、アレックスは以前の悪い顔を取り戻します。
おしまい。
時計仕掛けのオレンジ感想
一言で言うなら、最高にクレイジーな映画だと思いましたが、それと共にそんな言葉で片付けられない映画だと思いました。
この映画では、暴力の否定と暴力の肯定のどちらも描かれており、暴力というか、力というものは使う人を選ぶものだと感じました。
まあ、そうはいってもアレックス達の非行は到底許されるものではないですけどね。
物語では、平穏な暮らしをしていたホームレスや老夫婦もアレックス達の暴力をきっかけに最後には彼らも暴力を振るっています。
警察官になった元アレックスの仲間は出所したアレックスに暴力を振るっています。彼らに至っては今も昔も変わらずの暴力でしょうか。
性根が腐っていそうですね。
また、政府の役人のような国の上に立つような人も、自分たちの都合のいいように、罪人であるアレックスに暴力を振るっています。
こういった具合に、多くの人の暴力で成り立っているような映画「時計仕掛けのオレンジ」はタイトル通りに狂っていると思いました。
まあ、「人間の狂気」がわかりやすく描かれているので、そういったものが好きな人にはおすすめですしょうか。
ただ私は、こういったサイコホラー映画はあまり見ないのですが、本作を見ても、やっぱり苦手な部類だと感じました。
この映画は見ても見なくても、今後の人生にはあまり影響はしないとは思いますが、暇なら見てみるのもいいですね。
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